日時:2018年1月31日(水)13:00~14:00
場所:県庁本館5階会議室<出席者>
福島県県:・避難地域復興課 佐藤総括主幹、・避難者支援課 武藤副課長、
・生活拠点課 大橋副課長、小林副課長 ・原子力損害対策課
ひだんれん:村田、熊本、武田、武藤、今野 大河原(事務局)
Q=ひだんれん A=福島県
1.知事の1年の総括と今後の方針について (生活拠点課)
Q:回答が抽象的で中身がわからないので、質問2以降で具体的に聞くことにするが、
「2000世帯に初期費用の支払いが行われている」の初期費用とは何か?
A:民間賃貸住宅の家賃補助の初期費用。
2.避難者の生活実態把握について (避難者支援課)
Q:(1)の回答では個別調査や生活再建支援拠点での相談対応などにより状況把握するとしている。それはそれでやってほしいが、実態調査に対する回答にはなっていない。
A:アンケート調査も一つの方法だが、今は引き続き検討する。
Q:個別調査をするといっているが、今年の4月以降もやるのか?
A:4月以降もやる。
Q:戸別訪問をする福島県の駐在員は何人いるのか?
A:関東、山形など避難世帯が多いところ、各県1名ないしかけ持ちでやっている。大阪にも事務所があり関西圏を担当。全国で10~11名。
Q:生活再建支援拠点での相談の中身は分析されているのか?
A:回答の相談件数1234件は上半期のもので、相談内容は住宅や生活に関するものの他、教育関係、近隣関係などもある。統計的なことはまとめていない。
Q:生活再建支援拠点を避難者対策の「柱」とするのであれば、相談を分析しそれに基づいて支援策を考えることが必要ではないか?
A:統計を活用するという意味では、生の情報を使っている。
Q:アンケートは何をクリアーできればやれるのか?
A:年度で結果を出すのは難しい。適切な把握の仕方は難しい。実効性のあるものとして検討していく。
Q:新潟県が「原発事故による健康と生活への影響に関する検証委員会」で避難生活に関する総合調査をしてアンケート結果を出している。
質問項目が生活の実態が浮かび上がってくるものとなっている。福島県でもこれを参考にして是非やってほしい。
↓参考 「新潟県の避難生活に関する総合調査」
Q:前回11月の話合いの時に意向調査をやるともやらないともはっきりしなかったが、事務文書の開示請求をしてみると、昨年9月の段階ではやる方向で検討していたのに、何故やらなかったのか?
(参考:開示事務文書①~③)
A:このスケジュール通りにはいかない。
Q:来年度にやるのなら予算の計上が必要ではないか?
A:アンケートは事務的な経費として使えるので予算がなくてできないということはない。アンケート調査だけしかできない形ではなくやりたい。統計的に分かり易い形はその後になる。
Q:開示された文書⑤では支援される人のカテゴリーが整理されている。これによれば応急仮設住宅を出た人も対象者となっているがこの通りか?
A:このとおりで、同じようにやる。
Q:支援対象者は8万人と書いてあるが対象者の実態を把握するのに、全国で10人程度しかいない駐在員でできるのか? 新潟県がやったような、生活実態調査をしないと把握できないのではないか?
Q:どういう事情があって福島県はやらないのか?
A:マスで捉えた分析も必要ではあるが、一方では個別の対応もある。どちらにシフトを置くべきか、もう少し考えさせてほしい。
Q:どちらかではなく両方合わせて考えてほしい。
開示文書URL
① 2017年9月27日 福島県避難者意向調査について1/2
② 2017年9月27日 福島県避難者意向調査について2/2
③ 2017年9月27日 福島県避難者意向調査スケジュール
④ 2017年5月22日 区域外避難者の応急住宅供与終了後の支援について
⑤ 2017年5月22日 避難者数と支援対象者の定義
Q:「避難者意向調査」と「住まいに関する意向調査」は何が違うのか?
A(生活拠点課):応急仮設住宅の供与終了後どうするのか、終了前の年に確認するものが、「住まいに関する意向調査」である。それを元に戸別訪問をする。現在調査しているのは、小高など来年度で終了する地域。
Q:この項目に関して整理すると、来年度は意向調査を含めて予算を計上するということか?
A(避難者支援課): 予算は言えないがそれも選択肢となるようやっていく
Q:新潟県や山形県のアンケートは参考にしてもらえるのか?
A:参考にする。
Q:今年度の生活再建支援拠点の相談内容をまとめて分析する予定はあるか?
A:ここ数か月では難しい。
(1)国家公務員住宅の調停について
Q:調停について不調の場合は管理者である東京都と協議するとある。福島県が国家公務員住宅の継続見込み数160戸を借りることにした時点での財務省との契約内容を明らかにしてほしい。
A:160戸は見込み数ではなく意向調査をして、有償でも住み続けたいとした世帯数である。
Q:意向調査をする時点では、契約の概要しかわからなかった。だから4月以降契約しない人も出てきている。
A:特例として2年間の期間限定で延長したので、この間に生活再建に向けてやってほしいが、2年間でできない人に対しては戸別訪問で対応している。
Q:国と協議が不調な後で何があるのか?どうするのか?訴訟なのか?
A:家を探すという意味では、公営住宅などがある。
Q:今、調停にかけられている世帯の中には、都営住宅の応募要件の収入要件や世帯要件で外れた人がいる。応募要件を撤廃してほしい。また、調停にかけられた世帯に個別対応するのではなく、制度としてやらなければ解決にならない。
Q:それを福島県にやってほしい。
Q:国家公務員住宅について言えば、二つの問題がある。ひとつは家賃が払えない経済的な問題、もう一つは2年の期限が切れた後の見通しが立たないこと、それを調停で解決しようとしても無理である。
具体的な対応がないときめの細かい個別対応にはならない。
Q:契約を結べ、未払い分の家賃を払えというだけではなく、都の担当者を入れて都営住宅に入れるようにするなど、具体的な解決方法を仕組みとして考えてほしい。
A:前提が有償でも住み続けたいということだったので、法的措置ということになった。
Q:しかし、契約書の中身は示されていなかった。
Q:前提として納得したじゃないかというが、納得していなくてもそこしか住まざるを得ないからそうなっている。
A:我々も訴訟や調停はやりたくないが、対象者からの回答も何もなく、直接の話合いができないからこのような形になった。
Q:避難者は圧倒的に不利な立場で生活していることをわかっていてほしい。
Q:被告弁護人から県に宛てた質問書が来ているはずだがどうか?
A:質問書については知らない。
Q:福島県が雇用促進住宅を機構から借り上げて提供していると確認した、2012年4月1日付の福島県知事と機構の理事長の公印が押された文書が裁判の資料として出てきている。県にもその文書は残っているはずで、変更されていないのであれば福島県が雇用促進住宅の提供主体ではなかったのか?
A:それがどういう位置づけになるのか、裁判の中ではっきりすると思う。訴訟に至るまでは機構側からの個別の取り組みはしている。
Q:裁判以外の解決方法は考えていないのか?福島県が山形県と話し合いをするなど、仲介を考えてもよいのではないか?
A:訴訟中ということでそれは難しい。
4.避難指示解除区域などの住宅提供について (生活拠点課)
追加質問:東電が家賃賠償を打ち切った後、50億円の「寄付」をして、県の新たな制度を作るとしているが、その制度とはなにか?
A:2017年8月に福島県は9市町村(南相馬市、川俣町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)の応急仮設住宅の供与期間を一部延長した。避難指示区域の世帯には東電の家賃賠償があったが、今年の3月で打ち切ることになっている。同じ地域から避難したのに、応急仮設住宅に入っている世帯は1年延長となり、東電の家賃賠償の世帯は1年早く打ち切りになるのは格差が生じるということで、東電の住宅賠償打ち切り世帯に対して1年延長のために東電が寄付をした。
Q:格差が生じるということであれば、区域内避難者だけではなく、既に大きな格差が生じている区域外避難者にもその考えを拡大してほしい。
Q:福島県が国に要求したのか、国が東電に要求したのか?
A:県と4町(浪江、双葉、大熊、富岡)が自民党本部(党復興加速化本部)に要望に行き、自民党が政府に要望し、政府から東電に要求した。
Q:国民の税金で賄っている東電が「寄付」するとはどういうことか、加害者である東電は賠償しなければならないのに。
Q:東電が賠償を続ければよいことなのに、なぜここにきて突然福島県が新しい制度を作ってやるということになったのか?
Q:県がこれをやるのならば、区域外避難者にも広げてほしい。
A:「検討します」と期待させることは言えない。区域外避難者は対象外である。
参考:民報12月16日の記事「家賃賠償」新支援策を検討 政府と東電対応
↓
Q:県がどうしたら(被害者のために)動きやすくなるのか、私たち被害者が何をすればよいのか、県と同じ方向を見ていることを知っておいてほしい。
・今後も引き続き話し合いの場を設けてほしい。
・今回は人数制限と時間の制限があったが、他にも話し合うテーマは様々あり、他の被害者も参加できるよう、人数制限をしないで話し合う場も設定してほしい。