2018年1月14日日曜日

山形地裁 「住宅明渡し訴訟第2回口頭弁論」報告

福島県避難指示区域外から、山形県米沢市の雇用促進住宅に避難した8世帯に対し、住宅を監理する独立法人が立ち退きと家賃の支払いを求める訴訟が起こされています。

1月12日(金)山形地裁での「住宅明渡し訴訟第2回口頭弁論」の傍聴と報告集会に参加しました。

傍聴席27席に対し60名以上が並び、この裁判への関心の高さが示されました



以下、報告集会での福田弁護士の解説の要約です。

 ◆今回は訴訟の枠組みの変化があった。

・「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」(以下、機構)が、昨年10月31日に雇用促進住宅の一括売却をし信託契約が締結されて、実質的な所有者は「東日本民間賃貸サービス合同会社」となり、ここが大阪にある「ファースト信託株式会社」に委託している。

・現在、受託者として住宅管理をしているファースト信託が裁判に参加してきた。実質的にはファースト信託が、原告として裁判を遂行していく。

・機構は裁判からは脱退し、残っているのは4月~9月末までの家賃を請求する部分だけとなる。

・原告代理人は機構とファースト信託の代理人となる。

◆今回の裁判手続きは


・ファースト信託が参加申立書を提出した。

・機構と被害者間のさまざまな法律関係について明らかにせよとした求釈明に対する回答した書面が原告から提出された。

・こちらからは準備書面1を提出した。内容は、住宅供与打ち切りは国際人権機関においても、問題があると指摘されている。裁判所としても公正な審議を求めるというもの。

◆本日のやり取りで明らかになったこと。

・原告が被害者に対して、訴訟を起こしてでも追い出しをしようという強い対応の割には、法律関係は杜撰な管理をしている。例えば、機構は被告と機構の間に使用貸借契約が成立しておりそれが3月末で打ち切られたと主張していたが、準備書面ではこれを根本から覆して貸し主は子会社であるSK協会であるとしている。

・更新については毎年更新していたとするが、そのような書類は作成されていない。
機構の言い分は、雇用促進住宅に1年間延長するという貼り紙をしていた。入居者はそのまま住み続けていたので黙示の契約が成立していたとしている。
去年3月で打ち切るという明確な書面を出すことはできないでいる。
また、貼り紙は機構の名前で出されていて、貸主だとされるSK協会の名前ではなかった。

重要 福島県が機構から借り上げるという書類が作成されている。機構理事長と福島県知事の公印が押してあるものだ。そうであれば貸主は福島県ではないのか。それには一切触れずに、機構はSK協会が貸主だと主張していて、支離滅裂である。

重要 機構という公的主体から、雇用促進住宅が民間主体に譲渡された。譲渡契約の中で公的な性格を民間に引き継がせるためにいろいろな約束をさせているはず。例えば雇用促進住宅の入居者については10年間は同じ契約にするなど、その証拠を機構は持っているはずだ。
これが重要なのは、譲渡契約の特約の中に災害救助法に基づく応急仮設住宅に関しては、譲渡の段階で入居者に有効に、譲り受け人がそのまま引き継ぐということが入っているはずだが、機構はそれを出してこなかった。
出すと譲渡契約に基づいて居住する権利があると主張することを恐れて出してこなかったのではないかと思い、今回はこれを提出するよう要求した。(2週間以内に書類が提出される予定である。)



海渡雄一弁護士 
「住宅の公的性格を際立たせ、避難世帯への補助打ち切り政策が正しいものか、争点にしたい」

井戸謙一弁護士 
「国も福島県も姿を隠し、“民民”間の問題にされようとしている。
原告はファースト信託株式会社。国でもなければ、福島県でもありません。雇用支援機構から住宅を購入した東日本賃貸サービス株式会社から住宅の信託を受けた会社です。
自主避難者の追い出しの責任ある国や福島県は表に出ないで隠れている。

原告は、避難者に住宅を貸していたのは雇用促進機構だったと主張しています。
しかし本日の期日(1月12日)で我々避難者側は、福島県が雇用促進機構から雇用促進住宅を一括して借り上げる旨の福島県知事と機構理事長の公印を押した確認書を証拠提出しました。
福島県が一括借り上げたのなら、避難者に供与したのは福島県であり、明け渡しの原告になるべきなのは福島県です。

責任ある者が裏に隠れるからくりをあばかなくてはなりません」
                                  
次回 第3回口頭弁論は3月20日午後2時から 
山形地裁にて。




現裁判長は3月までで、4月から新しい裁判長となることが弁護団より報告されました。











2017年12月9日土曜日

ひだんれん主催 「いのち・暮らし・人権を考えるシンポジウム」


原発震災から7年が経とうとしています。

原発事故後の放射線被曝を軽視した帰還政策の中では、避難者も、福島に生きる人も、同じように著しい人権侵害を受けています。
私たちは何ら分断されるものではなく、同じ被害者です。
私たち被害者は、どのようにして奪われた人権を取り戻したらよいのでしょうか。
このシンポジウムを通じて、共に考え、共にこの状況を変えていきましょう。



●来年121日(日)

●会場:市民交流プラザ 大会議室(郡山駅前ビッグアイ7階)

●基調講演

「原発震災と奪われた人権・行政の責任と役割」

 公益財団法人 地方自治総合研究所主任研究員 

 今井 照さん

●シンポジスト

特定非営利活動法人 311甲状腺がん子ども基金代表理事 

崎山 比早子さん

大阪電気通信大学工学部人間科学研究センター教授 

中里見 博さん

 いわきの初期被曝を追及するママの会代表 

千葉 由美さん

●タイムスケジュール

13:30 開会あいさつ

13:3514:20 基調講演(45分)

14:2015:20 シンポジストからの発言(3人×20分)

15:2015:30 休憩

15:3016:30 基調講演者とシンポジスト間のディスカッション(60分)

16:3016:50 ひだんれんの紹介、閉会あいさつ

●連絡先:Tel 080-2805-9004 /メール hidanren@gmail.com
 
いのち・暮らし・人権を考えるシンポジウムのチラシはこちら

2017年12月3日日曜日

「雇用促進住宅明渡し訴訟」 傍聴報告


11月21日(火)12時から
裁判開始前に山形地方裁判所の前でスタンディングと集会をしました。
傍聴券配布では、傍聴席33席に対して62人が並び、メディアの取材も多く、関心の高さが窺えました。



第1回口頭弁論の内容。(海渡弁護士の報告集会でのまとめより)

①裁判所が原告側の訴状の根拠が不十分であると指摘し、再提出することになる。

冒頭、裁判所は、訴状の請求の根拠は何かと原告代理人に尋ね、これは使用貸借(ただでものを貸すこと)の終了を原因としているのかと尋ねたところ、原告側は、所有権に基づく請求だと答えた。
しかし、機構はすでに11月1日に所有権を売却したと訴状に書いており、しかも売却したのは現物売買ではなく、信託譲渡権の売買であるという意味不明のことが書いてある。
裁判所は原告に請求の根拠を整理して、筋の通った訴状を12月22日までに示すよう要求した。



②裁判所にこの裁判は重大事件なので、被告側の意見陳述を求めたところ、第1回は時間がないが、今後は意見陳述書を出せば、その時点で考慮するということになる。
今日は答弁書について海渡弁護士より、5分間という短時間だったが意見陳述をした。
 政府の原発事故の早期帰還政策は誤っている。この政策は子ども被災者支援法とも食い違っている。

もう一つ、重要な根拠として付け加えたのは、国連人権理事会の審査でこの問題が取り上げられて、11月14日にジュネーブの国連の議場で、4か国から日本政府に対して明確な勧告がなされた。
女性や子供に対しての健康に関するもの、年間追加被曝線量1ミリシーベルトを基準に考えるべきだと。
その意味で、この裁判は8世帯のみの問題ではなく、日本における原発政策を巡る人権問題である。また、国際的にも注目をされているきわめて重大な裁判であると陳述した。
 


③この請求の根拠となる使用貸借契約の終了を示す書面が出ていない、この点について今後の法廷でも厳しく追及していく。
この点については、裁判所も原告の主張が不十分だということで、次回までに明らかにするよう伝えた。
 


被告代表の武田さんからは、「8世帯だけの問題ではなく、私たちの後ろには全国に散らばった避難者全員がいる。その人たちの思いをぶつけるには、裁判というのは有効な方法だと思う。一方的に金払え、出て行けという無情な国はない。言うべきことを言わなくてはならない」という決意が述べられました。

ひだんれん武藤類子共同代表からは、「原発事故後の帰還政策の中では、避難者も福島に残る人も同じような人権侵害を受けている。何ら分断されるものではなく同じ被害者だ。国のやり方に抗う人たちの問題を自分たちのこととして応援していきたいと、メッセージが伝えられました。




【次回口頭弁論は1月12日(金)11:30より 山形地方裁判所です。】


民の声新聞 20171122日号

 【自主避難者から住まいを奪うな】〝米沢追い出し訴訟〟山形地裁で第1回口頭弁論。海渡弁護士「住宅打ち切り違法」。請求棄却求める。訴状の杜撰さ指摘も


 

リージャーナリスト 西中誠一郎さんより、

原発事故避難者 雇用促進住宅追い出し訴訟(20171121日山形地裁)

第1回口頭弁論の動画。

 





2017年11月18日土曜日

抗議声明 避難者の住宅追い出し訴訟は認めない


 福島県内から山形県米沢市の雇用促進住宅に、避難指示区域外から避難した8世帯に対し、住宅を監理する独立法人が立ち退きと家賃の支払いを求める訴訟を起こしている問題に対して、ひだんれんとしての抗議声明を発表します。


抗議声明 
 避難者の住宅追い出し訴訟は認めない

 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用促進機構は9月22日、山形県米沢市の雇用促進住宅に住む避難指示区域外避難者8世帯に対して、住宅からの退去と4月以降の家賃支払いを求める訴訟を山形地方裁判所に起こした。
 政府と福島県が責任をもって解決すべき問題を、このような形で処理しようというやり方を、私たちは認めない。政府と福島県は避難者への住宅無償提供を保障し、抜本的な被害者救済制度を速やかに確立するよう、強く要求する。「機構」には提訴の取り下げを願いたい。

 ひだんれんは、政府と福島県が住宅無償提供打ち切り政策を表明した2015年5月以降2年近くにわたってその理不尽さを訴え、政策転換を要求し続けてきた。しかし、政府も福島県も被害者の声に真摯に耳を傾けることなく、本年3月末日をもって「無償提供は終了した」と一方的に宣言した。私たちはこれを認めていない。4月以降も政府・福島県に対して、実態の把握を基に避難者の生きる基本である住宅の保障を求め続けてきた。
 住宅無償提供をめぐる問題は、いまも当事者間で交渉・協議中である。そのさなかに、国も責任を指摘されている原発事故の被害者が住居を失えば困窮することが分かっていながら、機構が退去を求めて提訴することは、公的な性質を持つ機関として、道義、人道に反する行為であると考える。

 提供打ち切りにあたって政府と福島県は、「99%が住居の見通しが立った」としていたが、生活の実態についてはいまだにその把握をしようとしていない。生活の基盤を揺るがされた避難者は、日々の生活に追われて沈黙し、追い込まれて自ら命を絶つという悲惨な事態さえ生じている。東京都が7月から8月にかけて行った調査では、20万円以下の収入で、10万円以下の家賃支払いに追われている世帯が半数を占めている。この一事をとっても、住宅提供打ち切りが避難者の基本的生存権を脅かしていることは明らかである。

 今年3月の前橋地方裁判所、10月の福島地方裁判所はいずれも「国が適正な規制権限を行使していれば福島第一原発事故は防げた」と、国と東京電力の法的責任を明確に認める司法判断を下した。事故が無ければ避難することはなかったのだ。それまでの住居で平穏な生活を送れていたのだ。政府も福島県も、この事実を改めて直視すべきではないのか。
 そこからは、それまで必要と認めて続けてきた最低保障としての住宅無償提供を打ち切り、避難者を苦境に追いやるという結論は出てこないはずだ。「しっかりと寄り添って、丁寧に対応してまいります」といった政府・福島県の責任者の言は、どこにいったのか。今すぐ住宅無償提供を再開し、機構に提訴を取り下げるよう申し入れるべきだ。

 3月末、私たちは政府と福島県に対し「被害者の一人たりとも路頭に迷うことは認めない。福島県内外を問わず、全ての被害者に日本国憲法が定める基本的人権が守られる生活が保障されるまで、住宅無償提供の打ち切りと仮設住宅からの追い出しを中止・撤回し、法的責任に基づく抜本的な被害者救済策の速やかな確立を要求し続ける」と申し入れた。この要求は不動である。
 万一にも、被害者をこれ以上追い詰める道が改められないとすれば、私たちは全国・全世界の心ある人々に訴え、手を携えて、当事者と共に闘い続けることを宣言する。

 2017年11月18日


                 原発事故被害者団体連絡会
                 共同代表 長谷川健一  武藤類子
                                                      連絡先:☎080-2805-9004  
                         Email:
hidanren@gmail.com

 抗議声明はこちらをクリック



11月16日司法記者クラブでの山形の避難者、弁護団が記者会見

「追い出し裁判は不当」アワプラネットTV
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2188

第9回福島県交渉回答


遅くなりましたが、第9回福島県交渉の質問と回答を掲載します。

交渉録音記録の書き起こしを近日中にUPします。


9回県交渉質問に対する回答


生業訴訟判決に対する回答



民の声新聞 2017年11月02日号
【自主避難者から住まいを奪うな】
〝避難者追い出し〟ついに司法の場へ。「家賃払って雇用促進住宅から出て行け」。被告は米沢の8世帯~第9回福島県庁交渉

 http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-202.html





2017年10月27日金曜日

福島県との第9回(2017年度再開第2回)交渉のお知らせ

ひだんれん と 原発被害者訴訟原告団全国連絡会(原発訴訟全国連)の   共同県交渉

日時:11月1日(金)13:30~15:00

場所:ふくしま中町会館5階 東会議室
    福島市中町7-17 TEL.024-522-5123


*交渉に参加される方は、事前打ち合わせ会に必ずご参加ください。
   同日 12:00~13:00 福島市アオウゼ視聴覚室


  住宅無償提供打ち切り後に、区域外避難者が生活困窮に追い込まれる事態が発生していますが、国も福島県も、打ち切り後の避難者の状況を正確に把握していない実態があります。
 そのため、今回も第1回に引き続き避難者の実態調査を求めます。

また、前橋判決に続いて国の責任を認めた「生業訴訟」判決に対する知事の見解、本年4月以降も仮設住宅に住み続けている世帯に対する明け渡し請求訴訟、避難指示解除区域の住宅提供についてなどが、主なテーマとなります。

 昨年に比べ県が交渉に応じる回数が減っており、第2回は8月の開催を要求していたものが、11月まで引延ばされました。原発事故は収束せず、被害者の苦しみは続いています。原発事故をなかったものとし、被害者、避難者を数の上で無き者にすることは許されません。

福島県への被害者、避難者の側に立った対応と施策を要求し続けます。


第9回の質問状はこちらをクリックしてください。

*質問に対する回答はまだ届いていません。届き次第UPします。






















県民健康調査課との話合い報告 

 7月28日の第8回県交渉のために、事前に県民健康調査課に送った質問に関して、回答も出席も得られなかったため、県議会議員の古市三久議員(民進党)に仲介を依頼し、10月5日(木)11:00~12:00 県庁舎内にて話し合いの場が設けられました。

話し合いの中で目立った点としては、県としての回答はせず、次回の県民健康調査検討委員会の議論を待つというものが多かったこと、また、「経過観察」の把握がされてなかったことについては、県立医大の健康調査部門と、臨床部門は別で、手術症例は個人情報に当たり集計外だったため、県立医大は適切に対応している。県として把握していなかったことを追及する考えはないと、今回の県立医大の対応を評価していること、県が縮小の方向に傾いていないかとの問いには、県として県民健康調査の縮小を発表したことはない。継続する考えだと明言しました。


<出席者>
古市県会議員
県民健康調査課: 鈴木陽一課長 本田副課長 福島主任主査
ひだんれん:6名 原発訴訟全国連:1名 甲状腺検診の維持・拡充を求める会:1名

(1)ひだんれんは5月9日、「経過観察中に甲状腺がんと診断された患者について、健康調査検討委員会に報告し、公表するよう県立医大に指示してほしい」旨の要請をしたが、その結果を教えていただきたい。
(Qはひだんれん等の質問と発言、 議員は古市議員、→は県の回答)

→県から県立医大に指示なり要求なりしたのか、しなかったのか、県としてこの件をどのようにとらえているのか、などいくつかの質問全てに対し、次回の検討委員会で議論するので、現段階では答えられないというものでした。
次回の検討委員会の日程についてすらも、同様に答えられないとの回答で、県が主体的に動いているとは思えない内容でした。

<その他の質問、意見>

Q:「経過観察中に甲状腺がんと診断された患者」を枠外として数えなかった件について、県としてはどう考えているのか?
→検討委員会で枠外も調べるべきとなれば、県として県立医大に話をする。その辺りは次回検討委員会で論議してから。

Q: 検討委員会に対しては、県がリーダーシップを取る立場ではないのか?
→県民健康調査課には医学的知識がないので、検討委員会の専門家の助言で施策を進める。事務局である当課が先んじて進めることはできない。

Q: 専門知識の問題とは別に調査の枠組みの問題は県がリーダーシップを取ってほしい。
議員:県のスタンスとして、県民の意見を検討委員会に反映してほしい。
→要望書などは検討委員それぞれに送っている。

(2)第27回「県民健康調査検討委員会」の中で、話題となった経過観察後のがん発症例や県民健康調査以外でのがん発症例についても把握・公表すべきと、検討委員の中からも指摘され、星座長が「今後把握について検討をする」という答弁をされていたが、その後、どのように検討が進んでいるのか教えていただきたい。

→星座長の「把握についての検討する」の進捗状況を教えてほしいという質問にも、同様に次回検討委員会でという回答で、県としての答えはありませんでした。

Q: 検討委員会と次の検討委員会の間の話し合いはないのか?
→ 評価部会がある。

Q: 7月に検討委員が交替したはずだが公表されているのか?
→ 次回検討委員会の日程と共に公表する。この場では言えない。

Q: 県民の声を聞く場を設けてほしい。甲状腺がんが多発していることについて、県に聞きたいことが沢山ある県民の思いを理解してほしい。
→県の内外を問わず今までも聞いている。しかし、すべての個別の声は聞けない。

(3)事故当時4歳の方が甲状腺がんを発症し、手術したことを県立医大が、県の県民健康調査課及び検討委員に知らせなかったことについて、県としては追及をしないのかという質問が、6月5日の県民健康調査検討委員会・評価部会後の記者会見の場で出ていたが、県立医大に対して何か対応はしたのか教えていただきたい。また、その結果がわかれば教えていただきたい。

→この事例は集計外の事例だった。県立医大の健康調査部門と、臨床部門は別で、手術症例は個人情報に当たり集計外だったので把握していなかった。県としてそこを追及することは考えていない。県民健康調査のスキームの中で対応している。

Q: このような事例が出たときに、検討委員会の答えを待たずに県としてどのような対応をするか、考えていないのか?
→手術症例は守秘義務があるので、県立医大は適切に対応している。県民健康調査を進める上で、経過観察の段階については検討委員会に議論を頼みたい。

Q: 2年に一度の調査では少ない、毎年の調査を望む。なぜなら、2年後には発症することもある。子どもの甲状腺ガンは進行が速い、2年後には転移していることもある。浪江町は県の調査がない年に検診をして早期発見の対策を取っている。このことも検討委員会に伝えてほしい。

Q: 調査の発表の在り方が、県民との信頼関係を築く上で大事なところだが、4歳児の手術に関して、県からの発表ではなかったことが、県民としては裏切られた感がある。
→県立医大で手術したのに、隠していたと言われているが、調査部門と臨床部門が分かれているから起きたことだ。

Q: チェルノブイリでは5歳以下にも甲状腺ガンが出たが、福島では出ていないので原発事故との因果関係はないと言われていた。4歳児から出たということで、県立医大の中から報告や対策を取らなければというものはなかったのか?もっと危機意識を持ってほしかった。
→ 4歳児については県の調査の枠外から出てきた。すべての症例を把握することはできない。

Q: 県立医大が県から依頼された調査の枠の中でやっているのであれば、県民健康調査以外で発見されたがん患者の数の把握は県がすべきではないか?実際に子どもがん基金では、県立医大以外でも5名把握している。県は把握しようとしているのか。
→県としてどうするとは現段階で言えない。

Q: 一人の子どもに起きたことが県立医大の中でなぜ情報の共有がなされないのか?県が県民の健康を守るというのであれば、県立医大や検討委員会をリードしてほしい。
議:県民は県民健康調査により甲状腺がんの患者数を正確に把握してほしいと言っている。今の仕組みに穴があり網羅できないのであれば、その穴をつくろって網羅できるものにしてほしい、県がリードして県民の健康を守ってほしいということだ。

Q: 初めに作った仕組みが不十分なら、更に良くする仕組みに変えていってほしい。
→県民の健康を長期的に見守ることからこの制度を勧めている。しかし、疫学の分野は我々が専門家を引っ張ることはできない。

Q: 県民の意志という点からの提案だが、県民健康調査検討委員会の終了後、検討委員への質問は記者のみとなって県民はその後ろにいるが、県民も検討委員に直接質問や話を聞き、意見を届ける機会を作ってほしい。

Q: 国際環境疫学会が2016年1月に、環境省や福島県の県民健康調査課に協力したいとの書簡を送っているとのことだが、そのことに関してはどうなっているか?
→話はあったが返事はしていない。このことを議題にして検討はしていない。

Q: 甲状腺ガンが多発していることは、検討委員会でも認識されているのでは?
→多発ではなく、多発見だ。

Q: 他発見でもよいが、原因がわからないのであれば、外部からの新しい声を取り入れてもいいのではないか。
→疫学の専門家として、津金先生が検討委員会にはいる。

Q:津金先生が方向性を出していないのであれば、他の意見も聞いたほうがいいのではないか?

Q: 昨年12月に笹川財団が国際会議の提言として検診の縮小を知事に申し入れている。それであれば別の学会の提言も受け入れてもいいのではないか。検査の縮小に比重が行っているのではないか。
→去年の県議会への縮小をしないでほしいという請願も採択されている。県として縮小を発表したことは一切ない。検査を継続して行うということで今も変わっていない。

Q: 調査開始から4年が経つが、検討委員会の結論が出てこない。
→わからない部分もあるので、県民健康調査を続けて行く。

Q:初期被曝のところは調査のスタートの日にちはいつからですか?
→調べて報告します。(後日の回答は以下)
*外部被ばくの基本調査は、2011年3月11日~同年7月11日の4ヶ月間です。

→中間とりまとめでは原発事故の影響は考えにくいとしている。
Q: それでは何が原因として考えられるのか?別の原因があるのだとするなら、新たな意見を取り入れてほしい。

Q: 2巡目でも甲状腺ガンは多いと感じている。県は真剣に取り組んでほしい。

議員: 今のところ原因はわからないというのが妥当。原因究明と対応、治療している人のサポートをしてほしい。
県立医大が長崎大に患者の細胞を渡しているということがある。本人の了解を得てやっているのかという問題がある。

(4)県民健康調査の3巡目から、結果を市町村単位でなく浜通り、中通、会津という括りで公表する件について討委員会の中でも、今まで通りの形態で行わないと調査の一貫性に欠けるとの意見も出たが、その後、どのように検討が進んでいるのかを教えていただきたい。
 
→県としては小さい自治体では個人が特定されるので、このような形を考えている。

Q: 今まで通り市町村別でやってほしい。個人情報は出さなければよい。
Q: 大きな括りとなることは一歩後退したと思える。市町村がわからないと判断のしようがない、地域の行政に働きかけることもできない。

この後、「甲状腺検診の維持・拡充を求める会」の代表が要望書を読み上げ、課長に手渡しました。
要望書↓
https://drive.google.com/file/d/0Bw9-NJsCQLz9bmVyUEJqRTJkOEk/view?usp=sharing

Q: この他の要望として、
①県のサポート事業から外れている人たちについても考えてほしい。
②20歳以上の人達の検査が5年に一度になってしまうが、せめて2年に一度の間隔で検査してほしい。
県民健康調査で発見されないとサポート事業の対象とならないので、この観点からも検査の間隔は短くしてほしい。
③検査の縮小はしないということは、確認できた。
④ひだんれんの県交渉にも出席してほしい。                                            以上


↓報告まとめはこちらをクリックしてください。
県民健康調査課との話し合い報告

福島県が私たちへの回答を避け、次回の検討委員会での議論を待つようにとした、第28回県民健康調査検討委員会の動画等はこちらをご覧ください。
アワプラネットTV
http://www.ourplanet-tv.org/