2020年6月30日火曜日

<情報>福島県内19自治体でALPS処理汚染水の海洋放出に反対する意見書を可決


東京電力福島第一原発で増え続けるALPS(多核種除去設備等)処理水の処分に関して、福島県内の各自治体から海洋放出に反対する国への意見書が続々可決されました。

汚染水の環境への放出は、原発事故で大きな打撃を受けた福島県の第一次産業のへの影響が大きく、特に漁業への打撃は大きいものがあります。

また、漁業者だけの問題ではなく、原発事故で甚大な困難を背負わされた福島県民全体の問題でもあります。

その危機感が、今回の各自治体議会での反対決議となって現れたと言えます。

今年に入って反対の決議や意見書を可決したのは、以下の市町村議会です。

■3月議会: 浪江町、湯川村、石川町
■6月議会: 会津若松市、いわき市、喜多方市、相馬市、二本松市、南相馬市、
        郡山市、桑折町、川俣町、南会津町、会津坂下町、金山町、西郷村、
            三春町、新地町、飯舘村

■福島県外:  東京都小金井市議会


■意見書の主な内容はコチラ(福島民報 6月25日)

この後、南相馬市と郡山市でも意見書可決

■福島民報論説
【処理水意見書】県民代表の声は重い(6月27日)

東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質のトリチウムを含む処理水を巡り、県内の市町村議会で意見書の可決が相次いでいる。三月と六月の議会合わせて十八に上る。内容に濃淡はあるが、いずれも政府の小委員会が二月に出した最終報告書の提言は直ちに受け入れられないという意思が表れている。

小委員会は最終報告書の中で、処理水を海洋放出、大気放出するのが現実的な選択肢と政府に提言した。これを受けて、政府は沿岸部を中心とした市町村で説明会、県内外で自治体や業界団体からの意見聴取会を開催してきた。安倍晋三首相が夏ごろまでに方針を決める可能性を示唆したこともあり、結論ありきで進むのではないかとの県民の危機感が多数の意見書可決につながったと言えるだろう。

意見書の可決は県内全域に及んでいるのが特徴だ。浜通りと中通り、会津地方はいずれも六議会で、地域の偏りがない。処理水の行方に対する全県的な関心が高まってきている印象を受ける。浪江町は海洋放出への反対を決議し、三春町と西郷村は大気や海洋への放出の反対を意見書に記した。いわき、二本松、湯川など六市町村は風評対策の拡充・強化を強く訴えている。

さらに、審議中や今後審議する予定の市町村を加えると県内の半数を超える三十議会が意向を明確にする。県内には、処理水の処分が本県のみで行われたり、本県から始まったりすれば新たな風評が生じかねないとの強い疑念がある。最終報告書が出て四カ月が過ぎても具体的な風評対策を示さない政府の姿勢への不満が広がっている。県民の思いがうねりとなって、市町村の各議会を動かしているのではないか。

二十三日には全国漁業協同組合連合会(全漁連)も海洋放出に断固反対する特別決議を全会一致で採択した。全漁連は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて全国民が努力している中で方針決定の議論が進むことに不信と憤りを表明した。こうした状況を踏まえれば、処分方法の決定にはさらに時間をかけるのが妥当だろう。

田中和徳復興相は十九日の福島民報社のインタビューに対して、原則的には経済産業省が主管としながらも、「地元の意見を大切にしながら結論を出すべきだ。復興全体に関係することであり、(意見を)重く受け止めていく」と述べた。処理水の処分はまさに、復興の行方を左右する。政府は県内の住民を代表する議会の声を真摯[しんし]に受け止めるべきだ。(安斎康史)

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