2018年5月20日日曜日

モニタリングポスト(リアルタイム線量測定システム)の継続配置を求める要請書

2018年3月20日、原子力規制委員会は、避難指示または避難指示解除自治体を除いた福島県内自治体に設置されたモニタリングポスト2400台を撤去する方針を発表しました。
これに対し5月16日、ひだんれんは福島県の内堀雅雄知事に、原子力規制委員会に継続配置を求めるよう要請書を提出しました。

リアルタイム線量測定システムの継続配置を求める要請書はこちらをクリック

要請内容は以下の通りです。
 
福島県知事 内堀雅雄 様

 リアルタイム線量測定システムの継続配置を求める要請書

 
 2018320日、原子力規制委員会は避難指示が出ている自治体を除いた福島県内自治体に設置されているリアルタイム線量測定システム(以下、同システム)約2400台を、来年度から撤去する方針を発表しました。2020年度末までに撤去する理由を、多くの地点で国の除染基準を下回っているからとしています。また、同システムが撤去されても可搬型モニタリングポストなどで測定は継続され、数値は各自治体などのホームページで確認できると説明しています。しかし、私たち県民はその方針と決定過程に強い違和感を感じています。さらにこの説明は、原発事故後に生きる私たち県民が、日々数値を確認する時に感じる不安を全く無視した決定であると言わざるを得ません。

 起きるはずがないと信じ込まされていた原子力発電所事故が2011311日に起きました。あの日から存在するはずがない人工放射性物質が、私たちの回りに存在するようになりました。これは紛れもない事実です。私たちはこの事実に対する怒りや悲しみ、不安や恐れを片時も忘れずこの7年の年月を過ごしています。そして、放射能汚染から子どもや自分自身の健康を守ることに、日々心を砕いています。

 同システムはそのような環境に生きる県民、特に子育てをする親にとっては「日常的に目視で空間放射線量を確認できる唯一の情報源」であり、私たち市民の最低限の「知る権利」を保障するものなのです。よって、原発事故の被害を受けている福島県民に問うことなく一方的に同システムを撤去することは私たちの権利を蔑ろにする行為です。さらに、文部科学省の管轄である同システムを、子どもの生活空間から撤去することは、原子力規制委員会組織理念の冒頭にある「国民の安全を最優先に」に著しく反しており、守るべき子どもの健康や生活に対して非常に無責任な判断に他なりません。

 2011311日に発令された原子力緊急事態宣言は、今も解除されていません。福島原発事故は収束しておらず、困難な廃炉作業はこれからも続きます。リアルタイム線量測定システムは、福島県民にとって日々の安全を確かめ、不測の事態が生じた場合の判断の根拠となるものです。福島県知事には、私たちの訴えを原子力規制委員会に伝え、子どもが安全に生活できる環境を市民と共に確立することを強くお願いし、下記の項目を要請します。

 


1,東京電力福島第一原子力発電所事故により、無用な被ばくと不安な生活を強いられているのは私たち福島県民です。よって、福島県はリアルタイム線量測定システムの設置の有無を「決定する権利」は福島県民にあることを、原子力規制委員会に認めさせてください。

 

2,空間放射線量の可視化により安全を確認できるリアルタイム線量測定システムは、私たち住民の「知る権利」を保障するものです。よって、福島県は原子力規制委員会に対してリアルタイム線量測定システムの撤去を撤回し配置を継続するように、強く要請してください。

 

3,福島県は、リアルタイム線量測定システムの配置について原子力規制委員会が一方的に行う説明会ではなく、原子力規制委員会と福島県民が直接意見交換を行う場を設定してください。

 

              原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん) 共同代表 長谷川健一 武藤類