10月7日は、「新型コロナ災害下における原発事故避難者の暮らしと住まいの不安に関するアンケート調査」のまとめと提言を中心に交渉を行いました。
出席者は、福島県側は避難地域復興課1名、生活拠点課2名、避難者支援課1名、国民健康保険課1名、ひだんれん5名、「避難の権利」を求める全国避難者の会1名、避難の協同センターから2名の合計8名でした。
話し合いに先立ち「原発事故避難者の生活保障に向けた緊急提言」を読み上げ、生活拠点課主幹に手渡しました。
※事前質問の回答はコチラ
今回の交渉のポイントは以下の3点です。
1.アンケート結果と提言
①アンケート結果の要点と実態の深刻さ、提言内容の必要性
②実態把握の状況と調査実施の確約取り付け
③医療・介護保険の減免措置の継続・拡大の確保
①、② アンケートから、原発事故避難者の厳しい生活状況にコロナ災害がさらに追い打ちをかけていることが読み取れます。
家賃の支払いが「非常に苦しくなった」「やや苦しくなった」の回答が 29%、そのうちの 85%が民間賃貸に居住する避難者で家賃負担が増しています。
政府は「住宅確保給付金」を12月に終了するとしていますが、そうなれば困窮する世帯が増えることは目に見えています。
そうなる前にアウトリーチをして実態を把握し、困窮者の早期発見と具体的な施策を立ててほしいと要求しましたが、県の避難者支援課からは、個別的な対応をして福祉的な支援につなげていること、生活拠点課から県としての経済的施策が無いことが、今まで同様に伝えられました。
雇止めや就業時間減少などの現実があることを県は認識しているのか、認識しているのであれば、せめて住宅提供が打ち切られた避難指示区域外、指示解除区域、帰還困難区域の30,000世帯は名簿を持っているのだからその世帯に対してのアンケートをしてほしい、支援策をどうするか以前に、このコロナの実態をつかむことが必要だと迫りました。県側はどうする?と顔を見合わせる場面もありましたが、結論は出さないまま回答は後日ということになりました。
③福島県や市町村からの継続の訴えが既に上げられていることは確認していますが、コロナ災害下では特に医療費や介護保険の減免は重要になっているので、継続と拡充が必要だということを、強く求めました。
詳細については担当者が国保の係りでわからないこともあったため、追って追加質問をすることになりました。
2.立ち退き提訴
①提訴対象者の現況把握の有無確認
②県議会議案「訴訟の方針」にある「必要があると認めるときは訴えの取り下げ、訴訟上の和解及び請求の放棄を行うことができる」との条項適用を迫る
避難者がコロナ災害下で追い詰められている状況は、県議会議案の「訴訟の方針」にある「必要があると認めるときは訴えの取り下げ、訴訟上の和解及び請求の放棄を行うことができる」との条項に当たることから、提訴の取り下げまたは凍結を求めましたが、生活拠点課からは、住居に困ることがあれば住居支援をするとの回答でした。
住居支援以前に裁判に頼る形で立ち退きを要求するのではなく、避難者を守る行政努力をするべきです。
3.「2倍家賃」請求
①対象者の現況把握の確認
②コロナ情勢を踏まえた財務省との協議と請求の中止・撤回要求
事前質問の回答によれば、2倍家賃を払っている世帯は31世帯中0世帯です。
払えない状態だということです。
1年半も2倍家賃の請求書が届く心理的な負担を追い続ける状況を県はどう考えるのか、今後どうするつもりなのかと問いかけ、裁判で追い出すなどということをしないよう訴えましたが、福島県の回答は、国と県の関係があり、財務省に毎月損害金を支払っているのは、いずれ入居者から支払いがあることを宛にしているからだと以前からの説明を繰り返すのみでした。
立ち退き提訴と「2倍家賃」請求については時間が足りず、次回に持ち越しとなります。
以上