2015年7月27日月曜日

福島県知事へ要請書を提出しました!

国と県は勝手に決めるな! 被害者の声を聞け!
住宅支援・区域指定・賠償の継続を求める福島県民集会&県申入れ行動


原発事故被害者団体連絡会(略称:ひだんれん・16団体約25.000名)は、午前11時、福島テルサで、「国と県は勝手に決めるな! 被害者の声を聞け!『住宅支援・区域指定・賠償の継続を求める福島県民集会』」を開催しました。
平日にもかかわらず120人の参加者がありました。集会では各団体から裁判の報告と共に、国や県が支援の打ち切りの方針を打ち出していることへの抗議の言葉が次々と飛び出しました。
その後、福島テルサから福島県庁まで、猛暑の中を40分かけてデモ行進を行いました。「国と県は勝手に決めるな!」「被害者の声を聞け!」「住宅支援を打ち切るな!」「賠償を打ち切るな!」「福島県は国に立ち向かえ!」「帰還を強要するな!」「子ども・被災者支援法の理念を守れ!」「県は県民を守れ!」とアピールしました。
午後1時からは県庁となりの自治会館会議室で、県庁避難地域復興局の避難地域復興課、避難者支援課、原子力損害対策課の各責任者らと交渉を行い、福島県知事に対して、下記要請書を提出しました。
県の担当者からは「国が安全だというから」「避難地区を決めるのは私たちではないので」「住宅支援に代わる新しい支援策は検討中。決まり次第、公表」といった回答が飛び出し、被害自治体の自覚が薄れていっているように感じました。「公聴会を開いて被害者の声を聞いてほしい」「内堀知事と直接面談したい」という要望には否定的な回答でしたが、諦めることなく、これからも要望してまいります。



福島県知事 内堀雅雄 殿

住宅支援・区域指定・賠償の継続に関する要請

知事は6月15日、原発被害避難指示区域外からの避難者に対する住宅の無償提供を2017年3月で打ち切ることを決定、発表しました。これに先立ち、安倍内閣は同月12日、「避難指示解除準備区域」「居住制限区域」の指定を2017年3月までに解除し、東京電力の精神的損害賠償も2018年3月に打ち切るとの内容を主とする「福島復興加速化指針・改訂版」を閣議決定しました。また復興庁は7月10日、「避難指示区域以外からは避難する状況にはなく、支援対象地域は縮小または撤廃することが適当」とする「原発事故子ども・被災者支援法」の基本方針改定案を発表しました。
いずれの決定や改定案も、被害者の置かれている実情、県内の被害回復の現状を軽視した、合理性を欠くものであり、撤回されるべきものです。
とりわけ、住宅無償提供の打ち切りは、苦境に耐え、自立を目指す避難者の「最後の命綱」を絶つに等しく、人道上も認め難いものです。その決定経緯も、災害発生以来4年余、被害者をはじめ国内外の心ある人々、法曹関係者、学者・文化人らが多くの署名、声明、集会などで訴えてきた声に真摯に耳を傾けたものとは到底言えません。
福島の復興は、全県民の願いです。しかし、被害の実情を覆い隠し、被害者を切り捨てるものであってはなりません。被害者が自らの意思で望む暮らしを取り戻す「人間の復興」こそが、真の復興を成し遂げる道です。
本日「住宅支援・区域指定・賠償の継続を求める福島県民集会」に参集した被害者・支援者の総意として、以下の各項を要請し、8月27日までに文書での回答を求めます。

1.住宅無償提供に関して
 (1) 知事は、避難者の実情を直接、丁寧に聴く場を早急に設けること
 (2) 区域外避難者への住宅無償提供を2017年3月までとする決定を撤回し、国に対し長期無償の避難住宅の提供を要求すること。
 (3) 避難者の代表を含む第三者委員会を設置し、今後の対応を検討すること

2.避難指示区域の解除・賠償打ち切りに関して
 (1) 知事は、県民の代表として国に対し、「2017年3月までに避難指示解除」とする終期の撤回を求めること
 (2) 避難指示の解除は、住民の意見を尊重し、強行実施はしない旨の確約を国に求めること
 (3) 2018年3月とする精神的損害賠償の終期を撤回し、誠意をもって対応するよう、国・東電に申し入れること

3.「原発事故子ども・被災者支援法」基本方針改定案に関して
 (1) 知事は、支援法の基本方針改定案について撤回するよう国に申し入れること
 (2) 支援対象地域を拡大するよう国に申し入れること
 (3) 「支援法」の立法精神に立ち返り、被災者に寄り添った施策を国に求めること

2015年7月27日            原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)


■「子ども・被災者支援法」を追記部分に添付しました。
「この基本理念を守れ」と国に要望するのが福島県の役目ではないでしょうか。


 
 
東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律
(平成二十四年六月二十七日法律第四十八号)


第一条  この法律は、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故(以下「東京電力原子力事故」という。)により放出された放射性物質が広く拡散していること、当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていないこと等のため、一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住し、又は居住していた者及び政府による避難に係る指示により避難を余儀なくされている者並びにこれらの者に準ずる者(以下「被災者」という。)が、健康上の不安を抱え、生活上の負担を強いられており、その支援の必要性が生じていること及び当該支援に関し特に子どもへの配慮が求められていることに鑑み、子どもに特に配慮して行う被災者の生活支援等に関する施策(以下「被災者生活支援等施策」という。)の基本となる事項を定めることにより、被災者の生活を守り支えるための被災者生活支援等施策を推進し、もって被災者の不安の解消及び安定した生活の実現に寄与することを目的とする。

第二条  被災者生活支援等施策は、東京電力原子力事故による災害の状況、当該災害からの復興等に関する正確な情報の提供が図られつつ、行われなければならない。
 被災者生活支援等施策は、被災者一人一人が第八条第一項の支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない。
 被災者生活支援等施策は、東京電力原子力事故に係る放射線による外部被ばく及び内部被ばくに伴う被災者の健康上の不安が早期に解消されるよう、最大限の努力がなされるものでなければならない。
 被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、被災者に対するいわれなき差別が生ずることのないよう、適切な配慮がなされなければならない。
 被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、子ども(胎児を含む。)が放射線による健康への影響を受けやすいことを踏まえ、その健康被害を未然に防止する観点から放射線量の低減及び健康管理に万全を期することを含め、子ども及び妊婦に対して特別の配慮がなされなければならない。
 被災者生活支援等施策は、東京電力原子力事故に係る放射線による影響が長期間にわたるおそれがあることに鑑み、被災者の支援の必要性が継続する間確実に実施されなければならない。

第三条  国は、原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護すべき責任並びにこれまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、前条の基本理念にのっとり、被災者生活支援等施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

第四条  政府は、被災者生活支援等施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

第五条  政府は、第二条の基本理念にのっとり、被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
 基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
 被災者生活支援等施策の推進に関する基本的方向
 第八条第一項の支援対象地域に関する事項
 被災者生活支援等施策に関する基本的な事項(被災者生活支援等施策の推進に関し必要な計画に関する事項を含む。)
 前三号に掲げるもののほか、被災者生活支援等施策の推進に関する重要事項
 政府は、基本方針を策定しようとするときは、あらかじめ、その内容に東京電力原子力事故の影響を受けた地域の住民、当該地域から避難している者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
 政府は、基本方針を策定したときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。
 前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。

第六条  国は、被災者の生活支援等の効果的な実施に資するため、東京電力原子力事故に係る放射性物質による汚染の状況の調査について、東京電力原子力事故により放出された可能性のある放射性物質の性質等を踏まえつつ、当該放射性物質の種類ごとにきめ細かく、かつ、継続的に実施するものとする。
 国は、被災者の第二条第二項の選択に資するよう、前項の調査の結果及び環境中における放射性物質の動態等に関する研究の成果を踏まえ、放射性物質による汚染の将来の状況の予測を行うものとする。
 国は、第一項の調査の結果及び前項の予測の結果を随時公表するものとする。

第七条  国は、前条第一項の調査の結果を踏まえ、放射性物質により汚染された土壌等の除染等の措置を継続的かつ迅速に実施するため必要な措置を講ずるものとする。
 前項の場合において、国は、子どもの住居、学校、保育所その他の子どもが通常所在する場所(通学路その他の子どもが通常移動する経路を含む。)及び妊婦の住居その他の妊婦が通常所在する場所における土壌等の除染等の措置を特に迅速に実施するため、必要な配慮をするものとする。

第八条  国は、支援対象地域(その地域における放射線量が政府による避難に係る指示が行われるべき基準を下回っているが一定の基準以上である地域をいう。以下同じ。)で生活する被災者を支援するため、医療の確保に関する施策、子どもの就学等の援助に関する施策、家庭、学校等における食の安全及び安心の確保に関する施策、放射線量の低減及び生活上の負担の軽減のための地域における取組の支援に関する施策、自然体験活動等を通じた心身の健康の保持に関する施策、家族と離れて暮らすこととなった子どもに対する支援に関する施策その他の必要な施策を講ずるものとする。
 前項に規定する子どもの就学等の援助に関する施策には、学校における学習を中断した子どもに対する補習の実施及び学校における屋外での運動が困難となった子どもに対する屋外での運動の機会の提供が含まれるものとする。
 第一項に規定する家庭、学校等における食の安全及び安心の確保に関する施策には、学校給食の共同調理場等における放射性物質の検査のための機器の設置に関する支援が含まれるものとする。
 第一項に規定する放射線量の低減及び生活上の負担の軽減のための地域における取組には、子どもの保護者等による放射性物質により汚染された土壌等の除染等の措置、学校給食等についての放射性物質の検査その他の取組が含まれるものとし、当該取組の支援に関する施策には、最新の科学的知見に基づき専門的な助言、情報の提供等を行うことができる者の派遣が含まれるものとする。

第九条  国は、支援対象地域から移動して支援対象地域以外の地域で生活する被災者を支援するため、支援対象地域からの移動の支援に関する施策、移動先における住宅の確保に関する施策、子どもの移動先における学習等の支援に関する施策、移動先における就業の支援に関する施策、移動先の地方公共団体による役務の提供を円滑に受けることができるようにするための施策、支援対象地域の地方公共団体との関係の維持に関する施策、家族と離れて暮らすこととなった子どもに対する支援に関する施策その他の必要な施策を講ずるものとする。

第十条  国は、前条に規定する被災者で当該移動前に居住していた地域に再び居住するもの及びこれに準ずる被災者を支援するため、当該地域への移動の支援に関する施策、当該地域における住宅の確保に関する施策、当該地域における就業の支援に関する施策、当該地域の地方公共団体による役務の提供を円滑に受けることができるようにするための施策、家族と離れて暮らすこととなった子どもに対する支援に関する施策その他の必要な施策を講ずるものとする。

第十一条  国は、政府による避難に係る指示の対象となっている区域から避難している被災者を支援するため、特定原子力事業者(原子力損害の賠償に関する法律 (昭和三十六年法律第百四十七号)第三条第一項 の規定により東京電力原子力事故による損害の賠償の責めに任ずべき原子力事業者(同法第二条第三項 に規定する原子力事業者をいう。)をいう。第十九条において同じ。)による損害賠償の支払の促進等資金の確保に関する施策(当該区域における土地等の取扱いに関するものを含む。)、家族と離れて暮らすこととなった子どもに対する支援に関する施策その他の必要な施策を講ずるものとする。
 国は、前項に規定する被災者で当該避難前に居住していた地域に再び居住するもの及びこれに準ずる被災者を支援するため、前条の施策に準じた施策を講ずるものとする。

第十二条  国は、第八条から前条までの施策に関し具体的に講ぜられる措置について、被災者に対し必要な情報を提供するための体制整備に努めるものとする。

第十三条  国は、東京電力原子力事故に係る放射線による被ばくの状況を明らかにするため、被ばく放射線量の推計、被ばく放射線量の評価に有効な検査等による被ばく放射線量の評価その他必要な施策を講ずるものとする。
 国は、被災者の定期的な健康診断の実施その他東京電力原子力事故に係る放射線による健康への影響に関する調査について、必要な施策を講ずるものとする。この場合において、少なくとも、子どもである間に一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住したことがある者(胎児である間にその母が当該地域に居住していた者を含む。)及びこれに準ずる者に係る健康診断については、それらの者の生涯にわたって実施されることとなるよう必要な措置が講ぜられるものとする。
 国は、被災者たる子ども及び妊婦が医療(東京電力原子力事故に係る放射線による被ばくに起因しない負傷又は疾病に係る医療を除いたものをいう。)を受けたときに負担すべき費用についてその負担を減免するために必要な施策その他被災者への医療の提供に係る必要な施策を講ずるものとする。

第十四条  国は、第八条から前条までの施策の適正な実施に資するため、当該施策の具体的な内容に被災者の意見を反映し、当該内容を定める過程を被災者にとって透明性の高いものとするために必要な措置を講ずるものとする。

第十五条  国は、低線量の放射線による人の健康への影響等に関する調査研究及び技術開発(以下「調査研究等」という。)を推進するため、調査研究等を自ら実施し、併せて調査研究等の民間による実施を促進するとともに、その成果の普及に関し必要な施策を講ずるものとする。

第十六条  国は、放射線を受けた者の医療及び調査研究等に係る人材を幅広く養成するため、必要な施策を講ずるものとする。

第十七条  国は、調査研究等の効果的かつ効率的な推進を図るため、低線量の放射線による人の健康への影響等に関する高度の知見を有する外国政府及び国際機関との連携協力その他の必要な施策を講ずるものとする。

第十八条  国は、放射線及び被災者生活支援等施策に関する国民の理解を深めるため、放射線が人の健康に与える影響、放射線からの効果的な防護方法等に関する学校教育及び社会教育における学習の機会の提供に関する施策その他の必要な施策を講ずるものとする。

第十九条  国は、被災者生活支援等施策の実施に要した費用のうち特定原子力事業者に対して求償すべきものについて、適切に求償するものとする。

   附 則

(施行期日)
1  この法律は、公布の日から施行する。
(見直し)
2  国は、第六条第一項の調査その他の放射線量に係る調査の結果に基づき、毎年支援対象地域等の対象となる区域を見直すものとする。