2019年12月29日日曜日

<抗議文>「原発避難者訴訟・山形地裁の不当判決」

 12 17 日に出された原発避難賠償訴訟に対する山形地裁(貝原信之裁判長)の判決は、「国は 10m以上の津波の到来を予見できたが、対策を講じたとしても事故を防げなかった可能性が有る」として、国の責任を否定した。東京電力の原子力損害賠償法上の責任は認めたものの、「支払われるべき慰謝料はすでに弁済している」とし、賠償の上積みは認めなかった。734 原告のうち、たった5人に認めた 44 万円は請求漏れとのことで、実質賠償額はゼロだ。これまでに出された損害賠償訴訟 13 件の判決の中でも、このように不当な判決は今回が初めてである。

 原告の多くは、「より安全な場所」として福島に近い山形を選び避難した。この人たちには何の落ち度もなく、見えない放射能の危険から身を守るために苦渋の選択をし、9 年にも及ぶ避難生活を余儀なくされているのである。

 ふるさとでの平穏な生活だけでなく、人生設計も家族や友人・知人との人間関係も、生業も将来への夢も希望も破壊され、見通しの立たない喪失感のただ中にある被害者の実態に、真摯に向き合ったとは到底言えない。ひとたび事故を起こせば取り返しのつかない被害をもたらす原発の危険性を軽視し、加害者の一存による賠償を引き写しただけの判決は、事実に基づき社会正義と法にのみ従って判断すべき司法の良心と役割を放棄したものと言わざるを得ない。

 当原発事故被害者団体連絡会、加入団体「被災者フォーラム山形・福島」の代表であり、「米沢住宅追出し訴訟」で避難者でありながら被告となった武田徹さんらは、同じ山形地裁の貝原裁判長が第 10 回口頭弁論で証人申請をすべて却下したため、忌避を申し立てたが却下された(仙台高裁に即時抗告)。その武田さんは、判決についてこう語っている。

 「紛争を解決する最期の拠り所である裁判での、血も涙もない判決を聞いて、いつからこの国は、思いやりのない、弱者が生きにくい社会になってしまったのだろうと思う。ふるさとを離れ、知らない地で必死に生きてきた母子、通勤に疲労困憊している父親、知らない地でいじめにあって苦しんだ子、病と闘っている人、意見の相違から夫婦が別れてしまった人たちなどの顔、顔が、次から次へと目に浮かぶ。本来、弱者の味方であるはずの裁判官に対し、その非情さに憤りを感じる」区域外避難者の住宅問題など、原発被害者の人権保障と回復に取り組んでいる原発事故被害者団体連絡会としては、山形地裁のこの判決は到底納得できるものではない。原発の危険性と原発事故の被害を過小に評価し、国の責任を認めなかったこの判決に強く抗議する。

2019 12 20

原発事故被害者団体連絡会
福島県田村市船引町芦沢字小倉140-1
連絡先:080-2805-9004

■山形訴訟弁護団の抗議声明はコチラ

■原発訴訟全国連の抗議声明はコチラ

■原発賠償関西訴訟団の抗議声明はコチラ


<福島県交渉>第18回 報告


1225日(水)原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)と「避難の権利」を求める全国避難者の会の共同福島県交渉を行いました。
今回の交渉は、3年5カ月に及ぶ区域外避難者の住宅打ち切り問題交渉の「総決算」として、国家公務員宿舎の「2倍家賃」請求、追い出し提訴の中止・撤回を決断させるべく、総力を挙げて臨みましたが、県の担当者はこれらの要求を頑なに拒み、ゼロ回答となりました。

【日時】12 25 ()
【会場】福島県庁
【参加者】
<福島県>5名
避難地域復興課総括主幹、生活拠点課主幹、主任主査、避難者支援課主幹、主任主査
<ひだんれん>10
<「避難の権利」を求める全国避難者の会>2名
【交渉記録】
※交渉の文字起こしは追ってひだんれんブログに掲載します。




質問1.)2倍請求はいつまでやるのか?
回答1)対象者がいる限り請求。

質問2.)止めるための条件はあるのか?
回答2.)未納金を完納して退去すれば止める。

質問3.)2倍家賃は財務省に収めているのであれば、財務省が要らないと言えば止めるのか?
回答3.)我々の根拠としてはそうなる。

質問4.)セーフティネット契約は 2 年間の間に自立してほしいという県の願望の元にできた制度。2 年間に入居者の実態を把握し、見合った支援をと申し入れてきたが、福島県は実態把握もせず、 2 年経ったから打ち切るとなった。これは政策としておかしくはないか?12 月以降納付書を送らないとしてほしい。
回答4.)それはできない。

質問5.)これ以上被害者も黙っているわけにはいかないから、必ず対抗手段をとることになる。そうなれば我々は全面的にそれを支持する。それでもいいのか?
回答5.)それでも 2倍請求を止めることはできない。

質問6.)次の住まいが決まってない人たちに対し、明け渡し訴訟を起こすということは路頭に迷えということ。訴訟を起こさないでほしい。避難者を追い詰めないでほしい。どうして転居できないのかを県は把握してほしい。
回答6.)そのために個別に連絡しているが、電話に出てもらえない。

質問7.)福島県の追加事前質問に対する回答によれば、2倍家賃請求の対象世帯は、4月当初 63世帯、8 月は 40 世帯。納付世帯は、4月は 17 世帯、8月は 5世帯。支払っているのは 40 世帯中、5世帯のみということをどう理解しているのか?
回答7.)当人に聞かないとわからない。5世帯ということは、それ以外の世帯分を福島県が支払っているということ。電話に出ないので訪ねて行っても会えない。

質問8.)福島県に対しての信頼がない。自分たちが支払えない物件を紹介するなど、実態に見合っていない。都営住宅などに入れるような働きかけを、福島県から東京都にしてほしいと要請してきた。東京都の公営住宅でなければならないのか?復興公営住宅でなくてはいけないのか?東京や埼玉に復興公営住宅はないのか?
回答8.)福島県にしかない。

質問9.)福島県が行っている移転サポート事業を利用したが、案内された住宅はゴミだらけのヒドイものだった。委託事業者のチェックはしているのか?
回答9.)点検をしてなかったのでこれから行う。

質問10.)北海道ではサポート事業のケーススタディをしている。福島県が事業者の働きを把握していないのではないか?
回答10.)ケーススタディに関しては個人情報保護から難しい場合がある。

質問11.)受託事業者に対して「自主避難者」について学ぶ場が必要ではないのか?
回答11.)北海道の動きを参考にしたい。

質問12.1221日の東京フォーラムの避難者交流会で、福島県知事と避難地域復興局長に対し、避難者の一人が、「2倍家賃請求と5世帯の提訴を止めてほしい」と訴えたところ、避難地域復興局長は、「同じ考えであるから実現に努力する」と言ったが、どう努力するのか?
回答12.)そういう意味ではなく、「困っている人を救いたい、何かをやります。同じ方向を向いています。」とは言ったが、「2倍請求を止めます。」「提訴を止めます。」とは言っていない。「住まい探しに努力する。」と言った内容である。



証言1.)2倍請求をされている妻子避難の男性。(埼玉の国会公務員住宅に居住)
・セーフティネット契約時対応への不信感と契約内容に納得できない。
・福島県にいろいろ話しても聞くだけで何も改善されない。
・訪問してくるのは「おっかない人」で母子だけでは恐い。
・説明会に行っても「除染しただろ、戻れ、戻れ」と言う。
・郡山の自宅を訪ねてきて「家を売ればいいんじゃない」「犬は処分すれば」と言う。
・郡山の線量は未だに高いところがあるから戻れない。4 番目の子どもは生まれながら重い心臓病で、手術した医師のそばを離れたくない。
・公平性と言うが 2倍請求が公平なのか?支援するときは 2万、3 万の補助金で、出る時は 20 万、30万支払えというのは公平でない。

証言2.)仮設住宅が打ち切られ、住人がバラバラにならないように、シェアハウス建設を求めながら志半ばで亡くなられた藤島昌治さんの詩を朗読した。朗読は「避難の権利」を求める全国避難者の会の鈴木哉美さん。鈴木さんは郡山市から北海道東川町に避難し、今年 2月の東川町会議員選挙で当選し、町議としても活躍中。
※藤島昌治「シェアハウス始末記」はコチラ



提出)復興大臣と福島県知事宛てのネット署名「原発避難者への懲罰的な『2 倍家賃』請求を止めてください」の追加分を提出。
署名数は第 1 13,338 筆、第 2 4,199 筆、第 3 11,177 筆の合計 28,714 筆。
特徴的なことは、9 19 日の福島原発刑事訴訟判決で東電の旧役員が無罪となった日に、署名数が一気に 1 万筆を超えた。これはこの判決への批判票と同時に、国と福島県に対する「避難者を守れ」という強いメッセージだと受け止めた。

要望1.)自主避難者の住宅打ち切りの時に、県内在住者との公平性のためにと言われたが、この状態は公平ではない。誰かに痛み苦しみを負わせることが公平だとは思わない。原発事故が起こってしまった以上それぞれの選択がある。福島県内でも県外でも安心して住めるようにすることが公平性である。福島県知事が原発事故の光と影と言ったが、そこで行っていた影とは国や東電が作った影のことであり、福島県が作っている影を福島県がわからない限り、それは誰にとっても公平な社会になっていかない。どの命も大切にされる社会になっていかない。今日はクリスマス、クリスマスは一番悲しんでいる人のためにある。誰の命も救う施策にしてほしい。

要望2.)2 倍請求と5世帯提訴の中止と撤回を求める。

次回交渉)3月末期限とされている区域内避難者、帰還困難区域の打ち切りについて集中論議する。

※追加質問の回答はコチラ

以上

2019年12月16日月曜日

<福島県交渉>第18回 事前質問と回答

1018日に予定しておりました、第18回福島県交渉は、台風19号の被害が甚大だったため延期となっておりましたが、1225日(水)13:30~14:30に開催されます。

事前質問項目と県の回答を掲載いたします。
以下をクリックしてご覧ください。

第18回福島県交渉 事前質問と回答


2019年12月15日日曜日

<ひだんれん合宿>第5回 報告

5回となるひだんれんの合宿は、ひだんれん内7団体、ひだんれん外の団体も5団体が参加し合計11団体14名の参加で、原発事故後の福島の問題を共有し、それぞれの団体の状況を報告し合い、今後のひだんれんの活動を方向付ける有意義なものとなりました。



【日程】2019128日(日)13時~9日(月)11
【場所】郡山温泉(福島県郡山市)
【参加】11団体

<ひだんれん加入団体>
・被災者フォーラム山形・福島    
・原発避難者住宅裁判を準備する会   
・川内村原発被災者生活再建の会    
・子ども脱被ばく裁判原告団    
・福島原発かながわ訴訟原告団     
・福島原発告訴団 
・福島原発被害山木屋原告団

<ひだんれん以外の参加団体>
・田村バイオマス訴訟原告団      
・福島第一原発過労死責任を追及する会 
・福島原発事故津島被害者原告団           
・福島原発被害山木屋ADR申立・未来の会
・福島原発刑事訴訟支援団 

【参加者】14名
【内容】128日(日)
1300-1330
DVD上映。
3.11大震災シリーズ「アリの叫び」~原発事故避難者たちの選択~
今年山形放送で制作され9月に放送。山形に避難し避難住宅提供打ち切り後、家賃の支払いをめぐり被告となった、「被災者フォーラム山形・福島」代表の武田さん夫妻と、別の福島に帰還した家族を追ったドキュメンタリー。
1330-1500
武藤類子共同代表より、原発事故から8年後の福島が抱える問題の共有を図るため、パワーポイントを使ってのプレゼンの後、参加者でディスカッションを行った。
・福島県民の代表にならない県や市議会に対する不信感、三権分立していない司法に対する不信感は大きく、政権交代しない限りこの状況は続く。各地区で全力を挙げて選挙で変えるしかない、と政治状況についての意見が出る。
・放射能汚染状況に関して、国や県は空間線量だけで土壌汚染の測定をしないが、裁判の中で土壌汚染測定をして可視化していくことが必要との提案がある。
1515-1730
各団体より状況報告
1730-1800
DVD上映。福島原発告訴団 福島原発刑事訴訟支援団DVD『東電刑事裁判 不当 判決』。




【各団体からの報告】

被災者フォーラム山形・福島 ※当日配布資料はコチラ
代表 武田徹さん
・米沢住宅追出し訴訟第10回口頭弁論で、裁判長は既に書証で立証されているとして人証をすべて却下したため、弁護団は裁判官の忌避を申し立てた。
11月に忌避申立も却下されたため仙台高裁に即時抗告した。仙台高裁で差し戻しになれば結審する。
・損害賠償裁判と住宅裁判は違う。住宅裁判は負ければ追い出されてしまう。   

原発避難者住宅裁判を準備する会 ※当日配布資料はコチラ
熊本美彌子さん
・国家公務員宿舎に住む区域外避難者は、以下の3つに分けられる。
A 福島県とのセーフティネット契約にサインし契約した。
B 契約書にサインしなかった。
B-210712月県議会で調停にかけるとの通知により契約した(7世帯)
B-201712月県議会で調停可決。調停後不調となる(5世帯)
C 福島県との契約拒否。
・現在の状況
A 生活保護世帯、退去が決まっている世帯を除いて、20194月以降は契約を継続しないので退去せよ。退去しなければ家賃相当の2倍を請求するとして退去を迫る。
101日現在 7月分として42世帯に納付書が送付された。
2倍請求されている世帯を支援するため弁護団が結成され、12月に委任契約を結ぶ。
B‐② 201912月県議会で明け渡し訴訟の議決がされた。11月末日で退去せよという通知が届く。当事者と弁護士との委任契約済み。
A2倍家賃を請求されている入居者を支援する会を立ち上げる。

川内村原発被災者生活再建の会
代表 志田篤さん(お仕事のため、終了後の交流会に参加されました)
・帰還率は80%ほどだが若い人は少ない。ゆくゆくは自治体として成り立たなくなるのではないか。
・シングルマザーを呼び込む政策を立てているが、移住者はそれほど多くはない
・固定資産税確保のために、太陽光発電、風力発電を誘致している。
・村の診療所は毎日開所するようになったが、透析などは小野町の病院に通っている。
・高齢者などの困窮者のため、「生活再建の会」が生活クラブ生協と提携してフードバンクを行っている。

子ども脱被ばく裁判原告団 
団長 今野寿美雄さん
101日に、セシウム含有不溶性放射性微粒子の問題について放射線計測の専門家として河野益近氏が証言したので、それに対する国や自治体からの反対尋問が1219日にある。
123日の裁判はなくなり、214日に福島医大鈴木真一氏の証人尋問、34日は山下俊一氏の証人尋問がある。
・夏に結審する予定。
「子ども脱被ばく裁判ブログ」 http://datsuhibaku.blogspot.com/

福島原発かながわ訴訟原告団 ※当日配布資料はコチラ
団長 村田弘さん
・今年2月に集団訴訟として8番目の判決となった。集団訴訟の共通の争点は、国の責任と損害をどこまで認めるかの二つ。現在まで9判決中、国の責任を認めたのは6判決、3は認めていない(千葉第一陣、第二陣、愛知)
・かながわ訴訟では国の責任を認め、損害についてもあらゆる権利が同時に奪われたこと、ふるさと喪失についても明確に定義づけた。
・賠償については底上げはしたが、区域割を認め枠を認めた上で上積みをした。
原陪審指針は物差しにならないと言っている。現地検証をし、線引きをしても生活圏は同じということを認めた。
・健康被害を認めさせようと力を入れたが、健康被害は物差しにならない、社会通念で考えるのが適当と逃げられた。そこを控訴審で闘いたい。
・控訴審 1220日14:00~ 第1回口頭弁論 東京高裁

田村バイオマス訴訟原告団 ※当日配布資料はコチラコチラ
代表 久住秀司さん
「木質バイオマス発電」と言うが、放射能汚染された木材を民間に払い下げ、それを燃やして発電する火力発電にすぎない。排ガスにより比較的低線量の地(田村市大越町)が再汚染されてしまう。予定地から半径250mのごく狭い地域にしか説明しなかったので説明会を要請したが田村市は無視した。県議会議員だった現本田市長になってから、樹皮は燃やさない、チップ工場は作らないという約束が反故にされた。
今年9月、福島地裁に本田市長の公金支出差し止めを提訴。1114日第1回期日。
2回期日 123日(水)13:10~ 福島地裁
請求の概要、趣旨は以下のサイトを参照
「ゴミから社会が見えてくる」 http://gomif.blog.fc2.com/blog-entry-642.html

福島第一原発過労死責任を追及する会 ※当日配布資料はコチラコチラ
ふくしま連帯ユニオン副委員長 佐藤昌子さん
201710月、福島第一原発で特殊車両の修理をしていた猪狩忠昭さんが、全面マスク、防護服のまま亡くなった。1か月100時間以上の残業があり、「長時間労働による過労死」と労災が認められたが、東電と元請け、雇用主は認めないため20192月に、謝罪と残業代の支払い、緊急医療体制の構築を求めて提訴。フクイチでは被曝労働者20名が死亡しているが、名前を公表して裁判を起こしたのは猪狩さんが初めてで、歴史的な裁判。裁判の中でフクイチでの過重な被曝労働の実態が明らかになってきている。
「福島第一原発過労死責任を追及する会」 
https://investigation1026.blogspot.com/2019/06/blog-post.html

①飯舘村蕨平仮設焼却場の灰処理業務による被曝労働裁判
「ゴミから社会が見えてくる」
http://gomif.blog.fc2.com/blog-entry-530.html

②佐藤昌子さん自身も、ホームヘルパーとして「厚労省が訪問介護現場で労働基準法が順守されない違法状態を放置している」と国家賠償訴訟を今年11月に起こした。
「週刊金曜日『ホームヘルパー裁判』」

福島原発事故津島被害者原告団    
副団長 佐々木茂さん 
・津島原告団へのアンケートを基に、蟻塚亮二精神科医(2013年より福島県相馬市のメンタルクリニックなごみ院長)の診断が今年9月に出た。48%にPTSDの徴候があると。かなり高い数値だ。過去の記憶のフラッシュバックだけではなく、将来に対する不安からのフラッシュフォワードが表れて来るとみている。
・津島のそれぞれの家が取り壊される前に、ドローンを使って上空から村の一軒一軒すべて故郷の家を撮影している。
・獨協医科大学木村真三准教授への反対尋問が3月、原告本人尋問が5月まで続き、7月証拠調べ、9月に結審する。
・公正な裁判を求める署名活動。3万筆を目標に。各団体にもお願いしたい。
「津島原発訴訟弁護団」 http://www.tsushima-genben.com/lawyers-com/

福島原発被害山木屋ADR申立・未来の会
菅野経芳さん
2014年にADRの申し立てを行い(49世帯)全損扱いで回答が出たが賠償請求の38%だけだった。ふるさと喪失訴訟を起こすべきだとの意見もあるが、東電と裁判所の対応をみると難しいと弁護士は乗り気ではない。山木屋ADRの後の集団ADRに、東電は一切答えていない。→浪江は集団ADRがダメだったので、個別に申し立てをしようと考えている。
・山木屋地区は、ADR申立参加者、訴訟団参加者、両方に参加している人もいる。
<山木屋原告団> 団長 菅野清一さん
今回は川俣町議会が会期中のため参加できなかったため、以下、電話による聞き書き。
第一陣の控訴審が11月に結審し、判決は312日。
1218日午前10時~ 2陣(第40回)原告本人尋問  福島地裁いわき支部

福島原発告訴団
団長 武藤類子さん
福島原発刑事訴訟支援団 
団長 佐藤和良さん
時間の関係で以下のDVDを上映して報告に代えた。
DVD『東電刑事裁判 不当判決』上映(33分)
919日の無罪判決について、海渡弁護士と大河弁護士が不当性を解説。
「東電刑事裁判 不当判決」 https://shien-dan.org/movie-201911/

今後のひだんれんの活動について
  福島県との交渉を継続する。
 ・避難住宅問題を基本にして、避難指示区域外、区域内の実態を明らかにさせる。
 ・復興(災害)公営住宅の住宅補助問題
 ・住宅支援、調査などを民間委託している問題
 ・交渉への参加を県内の団体に呼びかける
  損害賠償の時効問題
・東電が時効にはしないと会見で答えたが、口頭ではなく特措法への明記を求める。
・賠償の時効問題に関する講演会など、具体的な活動は今後の幹事会で計画する。
  「福島県はオリンピックどころではない!」アピール行動を行う。
・原発事故が継続中にもかかわらず、オリンピックを口実に被害を隠蔽して収束したかに見せかける国や県に対して、福島県の実態をアピールする。
・聖火リレーコースなど注目される場所を選んでリレー式に行う。
・具体的な内容は幹事会で検討する。
  住宅支援打ち切りによって、帰還した避難者が集える会を設ける。
・財政的に可能かどうか、補助金などを調べ、次回幹事会で報告する。
→担当 事務局
                                     
         

<福島県交渉>第29回県交渉質問事項及び回答

ひだんれんと、避難の権利を求める全国避難者の会、避難の協同センターの3団体は、29回目となる福島県交渉を行いました。 開催日時:2023年8月15日(火) 14時~15時 開催場所:オンライン 参加者: <福島県> ・原子力安全対策課:水口昌郁 主幹兼副課長 ・原子力安全対策...