2017年3月22日水曜日

福島県知事への公開質問状に対する回答

2017年3月8日に、原発事故被害者団体連絡会、原発被害者訴訟原告団全国連会、 「避難の権利」を求める全国避難者の会、3団体が、福島県内堀雅雄知事に対して公開質問状を提出し、その回答が3月22日に届きました。

今回の公開質問は主に、知事が決定した自主避難者の住宅供与打ち切りに対する現状認識と、その責任を問うものでしたが、知事に代わってそれぞれの担当課が答えており、知事が直接この質問に答えているとは全く思えないものでした。

例えば、1.知事の現状認識についての1)、知事は災害救助法打ち切りの理由の一つとして「放射線量が下がった」とされたが、その根拠は何か。の答えは、
「災害救助法の適用については、事故発生直後、原子力発電所事故の収束の見通しが立たない中、避難指示区域外からも避難した人々が多くおり、そのような発災時の避難の状況により、避難指示の有無にかかわらず、仮設・借り上げ住宅の供与を判断したところです。
その後、除染の進捗、食品の安全性の確保等復興が進み、生活環境が整いつつある中、多くの県民が福島で暮らしており、応急救助という災害救助法の考え方から今月末で終了することとし、その後は県による独自の支援策へと移行しています。」
この同じ文章が全く違う質問でも何度も回答として貼り付けられています。その回数は5回にも上りました。

住宅提供の打ち切りによって、不本意に移住を迫られることは基本的人権の侵害であるとの国連人権委員会の指摘があったが、知事はどう受け止めるかという質問の答えも、同じこの文章で、人権侵害については全く触れられていません。
質問の本旨をはぐらかした回答が多いのも今回に限らず、福島県のやり方です。

ひだんれんと被害者訴訟全国連が毎月のように、県の担当部局と話し合いをして避難者の状況と苦境を訴え、住宅無償提供の継続を求めたのにもかかわらず、瀬戸際の3月になっても判で押したような回答しかしないのは、被害当事者を全く無視して、国と同じように被害者切り捨てを画策していると言わざるを得ません。



 
 
 

<福島県交渉>第31回県交渉質問事項及び回答

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