ご報告が遅れましたが、7月8日、福島県福島市のホテルグリーンパレスにて「第35回県民健康調査検討委員会」が開催され、わたしたちひだんれんは、東京からのFOE、福島の他団体とともに、抗議行動を行いました。
県民健康調査検討委員会では、拙速に進められた評価部会2巡目の甲状腺検査に対する結論「甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連は認められない」についての意見が出されました。
成井香苗委員は、事故当初の線量の高さを上げ、「どれほど被曝していたかわからない、過剰診断ではないという鈴木真一医師の発表に基づいて論議すべき、福島に住む者の実感だ」として、取りまとめに関する疑問点を大迫力で鈴木部会長に質問し、他の委員にも訴えました。
富田哲委員からも、全国から比べると、甲状腺がんの発症は数十倍高く、浜通り、中通り、会津の順に高いことから、福島の原発事故との関係がわかるのに、「関連は認められない」とするこの結論は、早急で腑に落ちない。清水一雄委員からも「認められない」と断定しているが結論を出すには早すぎると批判がありました。
しかし、他の複数の委員から評価部会の結論を支持する意見が上がり、部会まとめの結論は曲げずに理解しやすい表現にして、座長が検討委員会に諮ったうえで、福島県に提出するということになりました。
もう一つの、甲状腺検査のお知らせ文の改訂に関しては、メリット、デメリットを表記したものにするとして改訂案が示されましたが、評価部会の中でも100%合意ができていないとのことで、今回の検討委員会の中でも異なる意見が出たところで時間切れとなり、結論は出ませんでした。
そもそも、原発事故があったから、その影響を調べるため検査をするのであって、そこにデメリットをあえて書き加える必要があるのでしょうか?
2年前に大阪大学の高野委員が加わってから、このデメリット論議が始まったのですが、しなくてもいい議論に時間を費やさないでほしいものです。
今回の評価部会のまとめに対し、ひだんれんを含む6・7団体から要望書が出ていたとのことで、成井委員が、「この要望書に対して検討委員会として答えなくてよいのか?」と質問をしたことに対して、星北斗座長は、「要望書は委員に回覧した。それは委員会での発言に反映されればいい」との素っ気ない回答でした。
現在の委員は7月末で2年の任期が切れ、改選となりますが、県民の立場に立ち、はっきりと意見を述べる、成井、富田、清水委員が解任とならないよう願います。
毎回、歯がゆく悔しい思いの残る県民健康調査検討委員会の傍聴ですが、めげずに要望書を出し、傍聴を続け、話し合いを求め、県民の健康のために検討する委員会に変えていきたいです。