2017年7月15日土曜日

ひだんれん 2017年度緊急要求



 日本政府と福島県は2017年3月末日をもって避難指示区域外避難者に対する住宅無償提供を打ち切り、同4月1日までに帰還困難区域を除く全ての避難指示を解除した。これらの政策強行によって生じている当面の問題について、以下の点を要求する。

 1. 住宅

   (1)政府と福島県は、避難指示区域外避難者に対し、

  従来と同等の住宅無償提供を継続すること

  
(2)政府と福島県は、打ち切り対象12,539世帯全て 

    に対し、4月以降の住居・健康・生活状況等の実態
  調査を行い、打ち切りによって生じた精神的、身体
  的、経済的困難の即時解消にあたるとともに、打ち
  切りに伴うあらゆる損害の回復措置を講じること

  (3)政府は、福島県外の放射能汚染地域からの避難の

  実態調査を行い、これらの避難者に対して住宅の無
  償提供を行うこと。福島県は、2013年以降の避難者
  に対しても住宅無償提供を行うこと  

  (4)政府と福島県は、避難指示解除地域の避難者の住

  居・健康・生活状況等の実態調査を行い、全ての避難  
  者に対する住宅の無償提供を継続すること
 

(5)政府と福島県は、被害当事者団体との協議機関を設け、今後の避難者住宅政策を早急に確立すること


 【理由】
 6年余にわたる避難の実態を無視して強行実施された無償提供打ち切りは、避難者を新たな苦境に追いやっている。
  政府は、本年3月17日の前橋地方裁判所判決で原発事故に対する法的責任を指摘されたことを真摯に受け止め、放射能汚染という長期にわたる原子力災害に対応する新たな被害者救済・保護の立法措置を講じるべきであり、福島県は被害者である住民の側に立ってこれの実現に力を尽くすべきである。
 被害者への完全賠償が行われ、全ての人々に平穏な生活再建の道が確実に保障されるまでは、避難、居住、帰還のいずれを選択した場合でも住宅の無償提供は継続されるべきである。


 2. 避難指示・賠償

(1)政府は、従来の避難指示区域の概念にとらわれず、被害区域と被害者の定義を確立し、政府の責任に基づく全被害者の救済・保護政策を早急に講じること  

(2)政府と東京電力は、全ての居住地域で原発事故以前の環境が回復され、原発サイトにおける事故再発の危険性が完全に除去されるまでは、全ての被害に対する賠償を継続すること


【理由】
 「国が適正に規制権限を行使し、東電が対策を行っていれば事故は防げた」とする司法判断が下された今、政府は一方的な線引きによる被害の矮小化と被害者切り捨て政策を改めるべきである。被害区域、被害者の定義を確立し、被害者数と被害の全体像を把握したうえで、国の責任に基づく抜本的な被害者救済・保護政策を実施する必要がある。それまが実現するでは賠償を継続すべきである。

3. 子ども・被災者支援法

(1)政府は、2015年8月25日に閣議決定した「子ども・被災者支援法・基本方針改定」を撤回し、「支援対象地域」の縮小または撤廃はしないこと

(2)政府は、「支援法」に定める避難・帰還・居住の選択の自由を認め、「被ばくを避けて生きる権利」を保障する施策を早急に実施すること  


【理由】
 科学的な根拠もなく、放射線区域の4倍にあたる「年間追加被ばく線量20㍉シーベルト」を前提に、「新たに避難する状況にない」として支援対象区域の縮小を図り、事実上帰還を強要する政策は法の精神に違背するものであり、到底認められない。少なくとも現行の「支援対象地域」は維持すべきである。

 

◆ ひだんれん 2017年度緊急要求

 

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