ひだんれんと「避難の権利」を求める全国避難者の会は3月11日、復興庁と福島県に対して、署名「原発避難者への懲罰的な『2 倍家賃』請求を止めてください」47,026筆を提出しました。
署名を提出する、村田弘、熊本美彌子(ひだんれん幹事)、大賀あや子(「避難の権利」を求める全国避難者の会役員) |
署名に至る経過としましては、まず、2017年、区域外避難者 12,539 世帯 32,312 人への住宅無償提供が一方的に打ち切られ、その「激変緩和措置」として以下の2つの施策が打ち出されました。
➀国家公務員宿舎 131 戸の2年間の有料貸し付け
➁所得の低い民間賃貸住宅入居者 2,000 余世帯に対する2年間限定の家賃の一部補助
その後、2019 年3月末、福島県は、東京など4都県の国家公務員宿舎に避難入居している71 世帯に対し「3月末までに退去せよ、退去しない場合は家賃の2倍相当の損害金を請求する」との通知書を送り、同7月には一部を除く世帯に具体的な金額を請求、復興庁もこれを追認しました。
原発避難は極めてまれな出来事であり、先の見通しも立たない避難生活により、経済的、身体的に問題を抱える避難者も少なくありません。
本来であれば、そうした方々への手厚い支援が必要な中、指定期限内での退去が行われないことに対し、懲罰的に家賃の2倍額を請求するということは、避難者をさらに経済的・精神的に追い詰め、生存の危機を招きかねません。
そこで私たちは、「健康で文化的な最低限度の生活を営む」生存権を守るため、2019 年 7 月 5 日より、オンライン署名【原発避難者への懲罰的な『2 倍家賃』請求を止めてください】のキャンペーンを開始したところ、2022 年 3 月 6 日の第4次締め切りまでに47,029名もの賛同署名をいただきました。
福島県は2019年4月から3年目となる2022年3月の現在も、退去するまでは2倍の家賃を請求し、退去勧告もし続けると明言し、提訴も辞さないとしており、実際に国家公務員宿舎に入居する避難4世帯を提訴しました。
このままでは国家公務員宿舎の避難者が、次々と福島県に提訴されるのではないかと、同じ3月11日、2倍家賃を請求され続けてきた11人が「原発避難者住まいの権利裁判」の原告となって、福島県を提訴しました。
今後は裁判の中で福島県の対応の違法性について明らかにしていくとのことです。