2017年12月3日日曜日

「雇用促進住宅明渡し訴訟」 傍聴報告


11月21日(火)12時から
裁判開始前に山形地方裁判所の前でスタンディングと集会をしました。
傍聴券配布では、傍聴席33席に対して62人が並び、メディアの取材も多く、関心の高さが窺えました。



第1回口頭弁論の内容。(海渡弁護士の報告集会でのまとめより)

①裁判所が原告側の訴状の根拠が不十分であると指摘し、再提出することになる。

冒頭、裁判所は、訴状の請求の根拠は何かと原告代理人に尋ね、これは使用貸借(ただでものを貸すこと)の終了を原因としているのかと尋ねたところ、原告側は、所有権に基づく請求だと答えた。
しかし、機構はすでに11月1日に所有権を売却したと訴状に書いており、しかも売却したのは現物売買ではなく、信託譲渡権の売買であるという意味不明のことが書いてある。
裁判所は原告に請求の根拠を整理して、筋の通った訴状を12月22日までに示すよう要求した。



②裁判所にこの裁判は重大事件なので、被告側の意見陳述を求めたところ、第1回は時間がないが、今後は意見陳述書を出せば、その時点で考慮するということになる。
今日は答弁書について海渡弁護士より、5分間という短時間だったが意見陳述をした。
 政府の原発事故の早期帰還政策は誤っている。この政策は子ども被災者支援法とも食い違っている。

もう一つ、重要な根拠として付け加えたのは、国連人権理事会の審査でこの問題が取り上げられて、11月14日にジュネーブの国連の議場で、4か国から日本政府に対して明確な勧告がなされた。
女性や子供に対しての健康に関するもの、年間追加被曝線量1ミリシーベルトを基準に考えるべきだと。
その意味で、この裁判は8世帯のみの問題ではなく、日本における原発政策を巡る人権問題である。また、国際的にも注目をされているきわめて重大な裁判であると陳述した。
 


③この請求の根拠となる使用貸借契約の終了を示す書面が出ていない、この点について今後の法廷でも厳しく追及していく。
この点については、裁判所も原告の主張が不十分だということで、次回までに明らかにするよう伝えた。
 


被告代表の武田さんからは、「8世帯だけの問題ではなく、私たちの後ろには全国に散らばった避難者全員がいる。その人たちの思いをぶつけるには、裁判というのは有効な方法だと思う。一方的に金払え、出て行けという無情な国はない。言うべきことを言わなくてはならない」という決意が述べられました。

ひだんれん武藤類子共同代表からは、「原発事故後の帰還政策の中では、避難者も福島に残る人も同じような人権侵害を受けている。何ら分断されるものではなく同じ被害者だ。国のやり方に抗う人たちの問題を自分たちのこととして応援していきたいと、メッセージが伝えられました。




【次回口頭弁論は1月12日(金)11:30より 山形地方裁判所です。】


民の声新聞 20171122日号

 【自主避難者から住まいを奪うな】〝米沢追い出し訴訟〟山形地裁で第1回口頭弁論。海渡弁護士「住宅打ち切り違法」。請求棄却求める。訴状の杜撰さ指摘も


 

リージャーナリスト 西中誠一郎さんより、

原発事故避難者 雇用促進住宅追い出し訴訟(20171121日山形地裁)

第1回口頭弁論の動画。