福島県との第4回交渉は、10月24日(月)午前10時から福島市の自治会館で行いました。
今回も住宅無償提供打ち切り問題に絞り、6テーマ28項目の質問を事前に提出、県の回答を基に2時間15分にわたって突っ込んだ話し合いになりました。
1. 福島県の「支援策」の問題点と現況
❶住宅確保見込みは、わずか1割
県が把握している状況では、6月末現在の入居者数約9,720世帯に対し、「確保見込み数」は福島県、東京都、神奈川県など6県と雇用促進住宅併せて1,140戸(9月末現在)。東京、神奈川など有効な実数を超える見込みを含んでおり、実数は1,000戸を切っています。
打ち切り通告期限まで半年の段階で、確保された住居は1割にも満たない実態が明らかになりました。このような状況の下で来年3月退去を迫っていることは、絶対に許されることではありません。
福島県は昨年11月、受け入れ都道府県に対し「打ち切りに伴って必要になる国への要請事項」についての意見を集めていながら、国への要請はおろか、分析すらしていなかったことが明らかになりました。
都道府県からの要請には、公営住宅の特定入居や財政支援などの重要な項目が含まれていたにも関わらず、「各都道府県の交渉や支援策の検討状況の参考にしております」との回答でした。
❸「特定入居」は国の同意を得ている
公営住宅入居に際して公募などの条件を外して入居を認める「特定入居」について、「福島県は2011年3月12日付国交省課長通達に基づいて国の了承を得ており、受け入れ都道府県にも適用を要請している」と断言。「区域外避難者には認められない」とする国交省の見解を事実上否定しました。
❶「放射能への不安」県内避難者への除外は撤回
民間賃貸住宅に移る際の家賃補助について、県は9月14日付で「補助金交付要領」を発表。補助の対象として「放射線への不安」を対象要件として認めながら、「ただし書き」で県内避難者は対象外としていました。
「放射線への不安」に対して県内、県外を分けることの不合理性を厳しく追及した結果、県は「県内避難者を除外する意図はない」と認め、要項の「ただし書き」を修正することを約束しました。
「補助金交付要領」には「知事は交付申請の期限前であっても、予算の関係から補助金交付申請を終了する場合がある」との規定があることを追及した結果、「予算の枠がいっぱいになったからといって、受付を切ることはしない。何らかの対応策を考える」との回答を得ました。
❶プレハブ仮設からの追い出しはしない
県内の打ち切り対象者は6,624世帯・16,492人(昨年10月末現在)。説明会の実施状況については明快な回答はありませんでしたが、「一人ひとりを戸別訪問して事情を聴き、課題に対応するとともに生活再建が図られるよう取り組んでいる」との回答。プレハブ仮設入居者は高齢者の方が多く、通院などの関係で住み続けざるを得ない人が多い事実をあげ、「条件が整わないうちに追い出すことはするな」と強く要求した結果、「無理な追い出しはしない」との回答を得ました。
楢葉町の住宅提供が「平成30年3月末」とされていることに関して、「提供打ち切りは避難指示解除後2年をめどにするのか」と問い質した結果、「住居確保などの状況を見ながら判断していく」との回答。「2年」が打ち切りの基準ではないことを確認しました、
❶子どもの甲状腺がん
「総合的に判断して放射線の影響とは考えにくいと評価されている」「検査についてはより丁寧な説明を行うとともに、相談体制を充実させていく」という型どおりの回答に終始しました。今後も詳細に詰めていく必要があります。
大人の甲状腺がん、白血病などの健康障害が多発していることへの見解については、「増加しているとの結果は確認できない」と断定的な回答。根拠を示すよう追及していくことにしています。
内堀知事が米国シンクタンクで行った講演で、「放射線への判断は個人によって違う。避難指示が解除されたからと言って、直ちに帰還を求めるものではない。解決には時間がかかる」との趣旨を述べている録画音声を再生。「なぜ、これを被害者の前で言えないのか」と、知事の出席を重ねて強く要求しました。
知事の出席については、11月末から12月初めにかけて、集中的な要請行動を計画しています。
第4回県交渉全編を伝える、UPLANの動画 はこちら。
https://www.youtube.com/watch?
当日の交渉を詳細に伝える「民の声新聞」はこちら。
UPLAN三輪祐児さん、 「民の声新聞」鈴木博喜さん、ありがとうございます。